用語集

【グッド・ガバナンス】

ガバナンスはギリシャ語の “kubernan” を語源とし、「舵取り」を意味する。舵取り/ガバナンスが行われる領域的広がりは企業、地方自治体、国家など、様々なものが想定され、それによってガバナンスの定義が異なる。こうした中、グッド・ガバナンスの議論では、ガバナンスの領域的広がりとして国家が想定されることに鑑み、ガバナンスを「政策の形成・実施を行う政府の能力(the capacity of government to make and implement policy)」とするジョン・ピエール(Jon Pierre)とガイ・ピーターズ(B. Guy Peters)の定義が用いられることが多い。

では、何をもってグッド・ガバナンス(日本語では「良い統治」と訳される)と言えるのかについては、共通理解は存在しない。開発分野の多様な機関はそれぞれグッド・ガバナンスの定義を行っているが、各機関の対象領域によって定義が大きく相違する。例えば、世界銀行は経済に特化した定義を行い、国連開発計画(UNDP)はより広範に、人間開発を目的とした定義を行っている。

実際の統治行為は経済分野のみに限定されるわけではないことに鑑み、ここでは、「効率的制度、および公共サービスの効率化と経済成長を可能にする経済・政治環境」が存在し、「制度や規則が公平かつ説明可能で、人権および政治的自由を保護し、その運用について全ての人が意見を言い得る」もの、とグッド・ガバナンスを捉えるUNDPの定義を紹介するのがふさわしいであろう。なお、本定義からも分かるように、UNDPはグッド・ガバナンスを民主的ガバナンスとほぼ同義と捉えている。

<参考文献>

Jon Pierre and B. Guy Peters, Governance, Politics, and the State (New York: Palgrave Macmillan, 2000).

United Nations Development Programme, A Guide to UNDP Democratic Governance Practice (New York: UNDP, 2000).

木村宏恒、近藤久洋、金丸裕志編『開発政治学入門 -途上国開発戦略におけるガバナンス』(勁草書房、2011年)。

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