DEMOCRACY NEWS

コロナにより一時沈黙していたグローバルな抗議活動が再開の兆し

2020年6月30日

Carnegie Endowment for International Peace

コロナにより集会が開催しにくい状況となっているが、ここ一か月ほど世界で大規模デモが増加している。マイノリティへの差別反対デモは日本を含む16か国で行われ、政府のコロナ対策に対する抗議デモもブラジル、イスラエル、レバノン、エクアドルなどで行われている。

【要旨】
COVID-19パンデミックの初期、世界中で起きていた市民による抗議活動は、公衆衛生上の観点という大義名分のもとに一時縮小した。運動家らは、移動や集会の自由を奪われ、また、参加者ら自身も、感染を恐れて自粛する傾向となった。強権的な国家においては、この機に乗じて反政府の運動家の迫害に乗り出し、抗議活動やデモを禁止することにより、ますます強権化した。香港国家安全維持法の採択はその最たる例であるし、アルジェリアでも複数の有力な市民運動家らが拘束されている。

ところが、Global Protest Trackerによると、過去一か月間、そういった逆境にも関わらず、抗議活動やデモは注目すべき比率と規模で再燃してきているという。米国で起きた白人警官による黒人市民ジョージ・フロイト氏殺害をきっかけに、警察権力による暴力の問題に加え、奴隷制度時代から米社会に根深く存在する構造的人種差別に焦点があたった。そのため、この事件は全米に強い怒りと深い悲しみを巻き起こし、また、同じく構造的人種差別を含む植民地支配の負の遺産を抱える世界各国の市民が共鳴した。この運動は、今般のパンデミックが始まって以来、世界最大規模の抗議活動となり、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、日本を含むアジアの少なくとも世界16か国に波及している。

こうしたパンデミック以前から各国に存在する政治不信、経済低迷、債務負担、貧困、失業率、汚職と腐敗等の問題に、政府のパンデミック対応のまずさや、感染防止対策を建前とした更なる強権ぶりという要素が加わり、市民運動に再び火をつけた形となっている。ブラジル、イスラエル、レバノン、エクアドル、イラク、マリなどで起きている抗議活動は、特徴的な事例と言える。

パンデミックによって中断された世界的な抗議の波が復活の兆しを見せている今、各国の政府は、今後さらに社会政治的な動揺が起きることに備えなくてはならないだろう。

(文責:JCIE)

原文を読む Global Protests Start to Return(外部サイト)

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