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香港に対する中国の弾圧を支持する国が批判する国の数を上回った

香港国家安全維持法の制定を受け、国連人権理事会で中国を批判する声明と支持する声明が発表されるという異例の事態となった。中国を批判をしたのは欧米および日本で、中国支持に回ったのは権威主義国、一帯一路参加国など。アジアで中国を支持した国はカンボジア、ラオス、ミャンマー、ネパール、北朝鮮、パキスタン。アメリカは人権理事会を2018年に脱退しており、その影響もあって中国を支持する国が批判する国の数を上回った。

【要旨】
香港国家安全維持法について、6月30日(火)の国連人権理事会においてキューバが発表した支持声明に53か国が賛同、批判声明を発表した英国に賛同したのは27か国にとどまったため、中国は勝利を宣言。中国支持派の国名は公表されていなかったが、Axiosが今朝(7月3日)入手したリスト(末尾参照)により、中国の人権侵害に対する各国の賛否が鮮明となった。同法をめぐって中国を強く批判してきた米国は、2018年に人権理事会から脱退しており、その影響も指摘されている。

中国支持派の国々は、フリーダムハウスのグローバル評価において「自由が保障されていない」または「限定的な自由度がある」とされる国々で、北朝鮮、サウジアラビア、シリアも含まれる。 また、少なくとも40か国が一帯一路政策の参加国であり、中国の莫大な投資は実を結びつつあるようだ。 なお、支持署名したアフリカの多くの国が、COVID-19関連の経済難にあえいでおり、中国へ債務免除の再交渉をしている。

一方、反対派の27か国は全てが前述のフリーダムハウスによる評価で「自由」と認定されている。こういった国際的に影響力のある国々といえども、本件に限らず中国の政策を批判するには相応の代償が伴う。オーストラリアは、中国の初期のコロナウィルス対応について独自調査を進めた結果、最大の貿易相手国との貿易摩擦という高い代償を支払っている。カナダは、米国に代わってHuaweiのCFOを逮捕した結果、現在も自国民二人が中国で拘束されたままになっている。

ジョンソン英首相は、今回の香港国家安全維持法は、1997年の香港返還時の条件に照らして重大な違反であると批判し、要件を満たす香港市民に移住や市民権取得の道を開くと発表。約300万人の香港市民とその扶養家族が該当するとみられている。これに対して中国外務省報道官は、「英国は、しかるべき結果を負うことになる」と反発するコメントを発している。

(文責:JCIE)

 

香港国家安全維持法への支持・反対リスト (2020年6月30日 国連人権理事会)
支持:中国、アンティグア・バーブーダ、バーレーン、ベラルーシ、ブルンジ、カンボジア、カメルーン、中央アフリカ共和国、コモロ、コンゴ・ブラザヴィル、キューバ、ジブチ、ドミニカ、エジプト、赤道ギニア、エリトリア、ガボン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、イラン、イラク、クウェート、ラオス、レバノン、レソト モーリタニア、モロッコ、モザンビーク、ミャンマー、ネパール、ニカラグア、ニジェール、北朝鮮、オマーン、パキスタン、パレスチナ、パプアニューギニア、サウジアラビア、シエラレオネ、ソマリア、南スーダン、スリランカ、スーダン、スリナム、シリア、タジキスタン、トーゴ、UAE、ベネズエラ、イエメン、ザンビア、ジンバブエ.

反対: オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ベリーズ、カナダ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、アイスランド、アイルランド、ドイツ、日本、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マーシャル諸島、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パラオ、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、スイス、英国。

 

原文を読む The 53 countries supporting China’s crackdown on Hong Kong

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