(和文要約:JCIE)
中国の若者は、年々厳しくなる政府の検閲・監視に直面している。かつては中国国内でも、大学ではある程度の自由があった。しかし習近平政権の発足後、大学で普遍的価値、報道の自由、共産党の歴史の汚点となどについて話すことは許されなくなり、中国の学生は、現代の重要な情報源であるインターネットへのアクセスを制限されている。教員も政治的にセンシティブな議論を避けるようになった。政府のこうした活動は効果を上げ、中国の若者は快楽主義に陥り、物質的利益のみを求めるようになった。アメリカ、ヨーロッパ、日本などに留学していても、中国人学生は「中国学生学者連合会(CSSA)」を通じて監視され、海外でも人権問題に関するイベントへの参加などは、大使館へ報告されるリスクがある。CSSAの活動は、欧米や日本の大学では言論の自由に反するもので、少しずつ対応が始まったが、更なる対策が必要だ。
自由な社会で勉強することの利益は、中国共産党員たちもよく分かっていて、自分の子どもを民主主義国に留学させている。一方、中国国内では、一党独裁を維持するために検閲と監視が行われる。しかし、中国にも政治的自由を求め、行動を起こしている人々がいる。香港のデモでは、大勢の人々が、中国共産党がコントロールを強めることに異を唱え、反対の意思を示した。勇気ある行動である。香港での混乱は、世界の民主国家が中国に対し強固な態度を示す機会を与えている。
原文を読むCensorship is closing China’s young minds
Nikkei Asian Review
July 3 2019
By Teng Biao