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チェコの市民社会は民主主義を守れるか?

(和文要約:JCIE)

6月、首都プラハで、バビシュ首相の退陣を求め、25万人の市民が集まった。30年前のビロード革命以来、最大規模のデモである。実業家として、反エリート主義とポピュリズムに訴え当選したバビシュ首相のアプローチは、「テクノクラティック・ポピュリズム」と呼べるが、その裏で、自身の企業への優遇措置などの汚職が疑われ、市民社会による反対運動が広がっていた。

自由民主主義体制には、横と縦のアカウンタビリティー、つまり権力分立による抑制均衡と選挙が組み込まれている。しかし、バビシュ政権下でこの二つのアカウンタビリティーがうまく機能していない中、チェコ市民の抗議活動は、三つ目の手段として「社会的アカウンタビリティー」に訴える行動である。市民社会の役割の重要性は、民主主義に関する幅広いデータを集めたV-Demプロジェクト(Varieties of Democracy)でも、明らかになっている。活発な市民社会の存在は、民主主義の耐久性を強化し、更には外交にも影響を及ぼし戦争を防ぐ効果がある。

しかし、市民社会の活動がいつも成功するとは限らない。ポーランドやハンガリーはその例である。一方、スロバキアでは、環境活動家で弁護士のチャプトバ氏が大統領選挙を制した。チェコは、(地理的にも、政治的にも)境界線の間に立っているのである。

原文を読む Czech protesters are trying to defend democracy, 30 years after the Velvet Revolution. Can they succeed? (外部サイト)

Washington Post

July 16, 2019

By Michael Bernhard, Petra Cuasti and Lenka Bustikova

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