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シンポジウム「インド太平洋の普遍的価値の擁護とG7・日本の役割」の開催、および 岸田総理に対するG7広島サミットに向けての提言の提出

日本国際交流センター(JCIE)は、2023年3月28日(火)に、公開シンポジウム「インド太平洋の普遍的価値の擁護-G7・日本の役割)を衆議院第一議員会館 国際会議室にて開催しました。(開催報告はこちら

本シンポジウムは、2022年8月に小田原市で開催した第2回サニーランズ イニシアティブ リトリートにおいて合意された「小田原ステートメント」に基づき、今年の広島G7 サミットに向けて、インド太平洋の普遍的価値の擁護における日本の役割について議論を深めることを目的に、多数の国会議員を始め、在京大使館関係者、市民社会の代表者を含む60人以上の対面参加者とYoutube配信の参加者によって実施しました。

同シンポジウムでの議論を受けてまとめられた以下の提言は、4月3日に岸田文雄内閣総理大臣に提出されました。

提言書:広島サミット・拡大首脳会議への提言:インド太平洋における普遍的価値の擁護について

 


 

令和5年3月31日

岸田文雄内閣総理大臣閣下、

普遍的価値のためのインド太平洋プラットフォーム
運営委員会代表  高 須 幸 雄
(日本国際交流センター「民主主義の未来」研究会主査)

 

広島サミット・拡大首脳会議への提言:
インド太平洋における普遍的価値の擁護について

 

日本がG7サミット議長国を務める本年、国連の世界人権宣言が75周年を迎えます。

人権は人類社会のすべての人の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利であり、普遍的価値として共有され、国際規範に基づく自由・尊厳・法の下の平等からなる人権原則の保障がすべての国家の基本的な責務として求められています。

ところが近年世界では人権や自由など普遍的価値観が弱められ、アジア地域においても、基本的人権や言論の自由が守られず、市民社会のスペースが制約される憂慮すべき事態が続いています。また。ロシアによるウクライナ侵攻は、最大の人権侵害行為として、世界の人権規範を大きく揺るがしています。

人権の尊重や人の尊厳は人間の安全保障を支える礎石です。総理が第2回民主主義サミットで述べられた通り、人権状況の改善は、一朝一夕には成し得ません。各国国民による継続的な努力が不可欠です。いま世界が取り組むべきなのは、国際社会の一致した対応であり、政府だけではなく、市民団体、メディア、企業など市民社会の役割を強化・支援することです。

G7サミット議長国を務める日本には、人権をはじめとする普遍的価値を共有するG7諸国とパートナー国の結束を促し、「法の支配に基づく国際秩序」を堅持するとともに、各国内での人権や自由の保護と法の支配の擁護に主導的役割を果たすことが期待されています。

このような認識に基づき、来る広島サミット・拡大首脳会議で発出される声明に、以下の原則が反映されるよう、ご検討のほど宜しくお願い申し上げます。

  • 世界平和にとって死活的に重要な「法の支配に基づく国際秩序」を堅持すると同時に、各国内で自由や法の支配など普遍的価値を擁護する
  • 表現や言論の自由を保護し、メディアの自由・独立を確保する
  • 自由で活力のある市民社会スペースを保護する
  • 市民社会活動の自由・独立・多様性の保護にコミットする

以上

 

 


シンポジウム動画

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