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2022年の世界腐敗インデックスと動向分析

トランスペアレンシー・インターナショナルは毎年発表している世界腐敗インデックスに基づいて、アジア・太平洋地域における国々の腐敗度の動向を分析している。2022年は4年連続で100 ポイント中平均45ポイントと停滞していると報告した(100:透明性が高い、0:腐敗度が高い)。アジア・太平洋の中でも国々により差が大きく、透明性の高い4カ国はニュージーランド(87ポイント)、シンガポール(83ポイント)、香港(76ポイント)、オーストラリア(75ポイント)であるのに対し、腐敗度が高い4カ国としてアフガニスタン(24ポイント)、カンボジア(24ポイント)、ミャンマー(23ポイント)、北朝鮮(17ポイント)が挙がる。なお、世界的にみても、北朝鮮のレベルは低く、ソマリア(12ポイント)、南スーダンとシリア(13ポイント)、ベネズエラ(14ポイント)、イエメン(16ポイント)に次ぐレベルとなっている。逆にニュージーランドは、世界レベルでもフィンランドとともに2番目に透明性の高い国である(2022年、1番透明性の高い国はデンマークで90ポイント)。マレーシアとパキスタンは特に度数の低下が激しく、両国とも6ポイント低下した(マレーシアは対2019年、パキスタンは対2018年)。両国とも口約束のみで実際の腐敗対策が実施されていないと説明されている。それに対して多くの太平洋諸国では選挙の年と重なり、腐敗防止がレトリックでも重要視され、有権者も政府の説明責任を追求したことが透明性向上につながったと分析している。モルディブは2019年と比較し11ポイント上昇し大きな進歩を遂げた。

原文を読む CPI 2022 For Asia Pacific: Basic Freedoms Restricted as Anti-Corruption Efforts Neglected

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