エッセイ

公衆衛生と法の支配:双子の危機(和文翻訳)

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今般のCOVID-19パンデミックは、多くの国でグッド・ガバナンスの重要原則が損なわれるという数年来続いている世界的な法の支配の危機の最中に発生した。公衆衛生と法の支配という双子の危機が、このパンデミックを特に危険なものにしている。このパンデミックによって法の支配がさらに圧迫され、時を追うごとにますます侵食される恐れがあるからだ。同時に、法の支配の格差は、COVID-19の危機を悪化させ、私たちが効果的に対応する能力を損なう危険性がある。


法の支配の定義と測定

法の支配とは、政府と民間アクターの説明責任、基本的人権を守る公正な法律、開かれた政府、そして利用しやすい司法アクセスを実現するための、法律、制度、規範、地域社会のコミットメントからなる永続的なシステムである。 強固な法の支配に基づく社会では、自由が保障されと公共の安全(公衆衛生を含む)が約束され、繁栄も促進される、効果的で透明性があり説明責任に基づく制度が市民に保障されている。法の支配は、この制度への信頼を醸成するとともに市民間の社会契約を支えるものであり、いずれも、集合的なアプローチが社会的地位によらず誰にとって脅威となる疾病を阻止し制御する唯一の方法となるCOVID-19パンデミックのような公衆衛生の危機を解決するためには不可欠なものである。データは、法の支配と公衆衛生の間に正の相関関係があることを示唆しており、法の支配が優れている国では、妊産婦と乳児の死亡率が低く、平均寿命が長く、慢性疾患の発症率が低い

残念なことに、パンデミックへの効果的な対応にむけて、強力な法の支