フリーダム・ハウスは、世界における自由・人権の保護を目的として1941年に設立された米国の超党派非政府組織である。同分野において設立された初の米国民間団体で、世界各国の自由度を調査・分析し、啓蒙活動や政策提言を行っている。フリーダム・ハウスが長年中心的に取り扱ってきたものは、自由民主主義にとって不可欠な政治的権利と市民的自由で、各国におけるこれらの状況を測定した年次報告書、『世界の自由(Freedom in the World)』を1973年より発行してきた。測定結果は批判されることもあるものの、研究者、ジャーナリスト、政策決定者などに幅広く用いられており、アジェンダセッティングを行う上でも強い影響力を有している。近年ではこれに加え、メディアやインターネットの自由度、移行期や岐路にある国々、中東・北アフリカ地域における女性の権利についても報告書を発表するほか、中国におけるメディア・インターネットの自由度や監視状況などに焦点を当てたChina Media Bulletinを、英語と中国語の両言語でも発信している。
<参考文献>
Freedom House, “About Us.” https://freedomhouse.org/about-us
佐藤真千子「アメリカ的自由世界を求めて -フリーダム・ハウスの活動の遍歴」『国際関係・比較文化研究』第5巻第1号(2006年)、21-45頁。