CATEGORY: エッセイ

sahashi
原文発行日:2020年4月22日
新型コロナウイルス感染症との長い戦いは、個人のライフスタイルや経済のあり方にとどまらず、国内政治、さらには国際秩序に様々な影響を与えていくことになる。それは、経済損失だけから生まれるのではない。失われた人命の重さが説得力となり、さらなるパンデミックが発生するかもしれないという恐怖、地政学対立が反映され遅々として進まない国際協調への不信は増幅していく。グローバル化、先進国協調とともにあった国際秩序のあり方は岐路にある。自由主義を推進してきた国際秩序の将来を、この小論では考えてみたい。
Ichihara-essay graphic
原文発行日:2020年4月22日
新型コロナウイルス対策の策定には、人命保護と経済的生存に加え、市民的自由に関する考察が必要である。これら3つの軸の間で妥協点を探る必要があるが、特に市民的自由の点で対策を効果的かつ支持されるものとするためには、情報透明性、説明責任、市民参加、取り組みへの制限設定が必要である。
Takasu - essay graphic
原文発行日:2020年4月19日
民主主義より強権政治の方が新型コロナウイルス感染拡大に効果的な対応が出来るとの主張がある。しかし、どちらが国民から信頼され、「良い統治」のための次の要件を満たすかといえば、民主主義の優位性は明らかである。
Kawaguchi - essay graphic
原文発行日:2019年10月25日
外国政府の介入・干渉によって公正な選挙が妨害される事態が生じている。それは特定の候補者や政党を貶めるだけではなく、選挙や民主主義そのものの信頼を揺るがしている。勿論、こうした選挙介入自体は新しい現象ではない。しかし、最近では情報インフラの拡大、情報技術の進化、プラットフォーマーの影響力増大を背景として、これらを悪用して選挙介入の効果を最大化しようとするケースが増えている。2016年米大統領選および2018年台湾統一地方選ではサイバー空間を通じた干渉が強く疑われている。本稿ではこの2つの事例を紹介する。
geiger
原文発行日:2019年9月30日
民主主義関連の政府開発援助の動向等この分野に対する日本の支援に関する情報を提供するマッピング調査報告書。日本の政治、政府、市民社会の最近の動向を分析し、司法支援、平和構築、女性のエンパワーメントなど、民主主義関連の分野で日本政府と市民社会の関係者が行っている具体的取組みについても触れる。最後に、日本が世界の民主的ガバナンスへの支援を拡大するための次のステップの提案を行う。
Takasu - essay graphic
原文発行日:2019年7月10日
国連は、選挙や憲法制定プロセスに関与し、多数の民主国家建設に大きな役割を果たしてきた。近年、強権政治や大衆迎合政治の拡大に伴い、「民主主義が開発の前提であり、開発が進めば民主主義が定着する」との立場が挑戦を受けている。SDGsの目標16(平和で安全な包摂的な社会を促進する)は国際的な行動規範となった。懸念国との対話を通じて、改善を求め、民主化が後退しないようにすることは可能である。